インターネットは電話を越えるか
インターネットがこうまで普及してくると、自然と端末自体の性能が押し上げられてくる。
性能と通信速度が兼ね合い、SkypeやLINEに代表される無料通話システムも利用できるようになった今、果たして電話という機能は未だ必要なのだろうか。
必要である、という理由はいくらでも挙げられる。相手側が無料通話が使えない環境である、とか、固定番号を所有していないと信用にかかわる、とか。年寄りにSkypeを教えたりするのも大変だし、ビジネスで固定番号を持っていないというのは現代では致命的だ。たしかに電話を持たないで生きる、というのは一筋縄ではない。
しかし通話料と基本料金がかなり割高な電話にしがみつくのにもやや疑問がある。2014年現在ではインターネット通信のみを提供するサービスが格安で出ている。月額千円以内でも使用制限なく使えるものもある。もし無料通話(SkypeやLINE)と格安インターネット通信サービスを使用すれば、一応現在ある携帯電話と同等とまではいかないが、近いものを格安で持つことが出きる。ただ、SkypeやLINEの音声通信機能を格安通信の細い回線でどこまで出きるかという問題はある。だが、本稿の主旨はそれも時間の問題だということなのだ。
ザッカーバーグ曰く「私たちのシステムはメールキラーではない。が、結果的に死んでいく・・・ 」 - TechCrunch
2010/10の古い記事だが、内容は新鮮だ。
「私たちはメッセージシステムから機能を取り除くべきだと考えています。最少限にすべきです」とZuckerbergは言った
とあるように、機能やデザインは最小限に向かっていくものだ。今ある複雑そうな機能もやがては無駄が省かれ、シンプルになる。それは同時に死を意味する。ザッカーバーグが例に出しているメールの形式もその一つだ。
斎藤さま
お世話になります。
昨日のお打ち合わせで頂戴致しました案件の一部でございますが、私どもももう少し精査してご返答させていただきたく存じます。
お時間くださいませ。
何卒よろしくお願いいたします。
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SHO-TEM株式会社
田中 吉弘
東京都足立区南千住路上3人目
TEL 060-7698-1344
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などという無駄なメール形式は死んでいくひとつだ。
案件は精査して返答致します
を伝えられればいい。余計なものが省かれていくのは必至だ。
メールとて、やり取りのなかにも礼儀がどうのこうのと考えるような古いタイプは死んでいく形式を使い続ければいい。案外そういうタイプの人間もグチグチ言いながらfacebookやLINE を使ったりしている。もうそういうふうに斜に構えるのはやめた方がいい。デジタルと通信の世界においては例えいいものであっても古くなったらさっと捨てて、新しいものを押し進めていくべきだろう。mixiの巻き返しを信じている人にはぴったりの助言だ。もうLINEとて古いと言われればそんな気もする。LINEを新しいという人がいたらちょっと話づらいなあと感じる人もいるだろう。電話はどうだ。新しいとは言えない。絶対的に古い。いつ電話が捨てられてしまうのかなんていう心配をするよりも近い将来にはなくなる、と思うのが当たり前だ。
今ある問題、これらは遅かれ早かれどんな形にか解消されるか代替え出きるか、問題自体が不用になることだってある。伝書鳩のスピードを挙げる技術が現在見つかったとしても、伝書鳩レースでもやっている人でないと必要に迫られることはない。伝書鳩とて戦時中には使われていたまだ百年も経過していない技術なのだ。インターネットと呼んでいるデジタル通信が量と速度を増していくたびに今問題とされていることが次々に解消していっているという事実は外せない。そうなってくると、メールが死ぬ前に、もっと古くさくて枯れたものがこんな目の前にあるのだ、もはや予想ではないだろう。